『Let it be~激流を制するは静水〜』
“激流を制するは静水”
幼少期の私を釘付けにした漫画『北斗の拳』の主要人物トキの有名なセリフです。
激流(力)に対して激流(力)で逆らっても打ち砕かれたり飲み込まれたりするだけ、
流れに身をまかせ同化し、激流(力)をコントロールする事を説いたものです。
パチンコ業界では今年2020年4月から全面禁煙化が実施をされ、
来年2021年2月には稼働を支えてきた規制強化前の遊技機が一斉に姿を消します。
深刻な人手不足も相変わらずです。
パチンコ業界に限らず、政治・経済、気候・自然、社会状況など、
最近の世の中は想像以上の変化を見せつけてきます。まさに“激流”と私は感じます。
社会人駆けだしだった20代の頃の私は、将来のビジョンや目標を設定し、
それに向かって突き進むことが全てだと思っていました。
むしろ、ビジョンがない人を見下す部分もありました。
だが現実は、そのビジョンから外れてしまったり、あるいは見失ってしまうこともあるでしょう。
失敗、挫折…その時どうするか?
「なぜこうなった?」「何がいけなかった?」悩んで省みて人は強くなる。
その考え方は、20代の私も今の私も変わりません。
しかし、年齢を重ねいろいろ経験し、中堅世代となった今の私は、それが全てではないと感じます。
いっその事ビジョンや目標を取り払って、流れに任せる身の振り方も必要なんじゃないかと。
行き当たりばったりで何も考えないという意味ではなく、目の前の現実を受け入れ、
柔軟に対応していく事で、ビジョンや目標に苦しむ必要がなくなります。
場面場面で取る最良の選択肢の積み重ねは、最悪の結果にはならないはずです。
何があってもビジョンや目標に突き進む強さと、流れに任せる柔軟性を持った強さ、
“剛と柔”の2面性が合わさった時、大きな活路が生まれると信じています。
今から5年後…“激流”の先に何が待っているか難しい時代になりましたが、
難しい時代だからこそ“柔”の面が大切になってくると思います。
私の所属する住吉店のゴール【遊・楽・幸・縁を完成させる】は、
ハピプロの長い歴史で、訪れる人、働く人の「楽しさ」や「幸福感」や「強い絆」を目指す力を与えられました。
目指す力が備わった今、“激流”に柔軟に応じる力が必要ではないか?
それによって更に強い【遊・楽・幸・縁】になるんではないか?
例えば初めてな事や苦手な事へチャレンジする第一歩がなかなか踏み出せない人に、
踏み出す事の大切さを説いても、踏み出せないものは踏み出せないときもあります。
それなら一歩下がって踏み出せない事への苦しみから逃げることによって、新たな視界を得ることもあるんじゃないかと思います。
言うまでもありませんが、「下がる」「逃げる」は、柔軟に応じる選択肢であって、
決してネガティブな意味じゃありません。
ビートルズの名曲「Let it be」とは少し違いますが、設定したビジョンや目標にとらわれ、
思い描いた結果ばかりを意識して逆流・逆境に苦しむより、
Let it be!~現状を受け入れ柔軟に応じればそれもまた力になる、“激流を制する静水”の力を意識したいです。
約5年前の想いリレーで私は「関わる人の一番の理解者でありたい」と述べています。
どんな人でも相手を理解しようとする想いも“激流を制する静水”の力です。
当時の想いは5年経った今、より強くなり私自身も柔の強さが備わった気がします。
そして今から5年後は、当たり前ですが自分と職場の仲間、
そして続けて足を運んで頂いているお客様もみんな5歳年老いています。
今までとは全く違った状況ですが、5年後に
その時の“激流”にしっかり対応する柔の強さを備えつけられたらと思います。
その先、10年後20年後は強固な【遊・楽・幸・縁】でありたい。
これが私の思う、想いの一曲です。
有楽グループ 住吉店
次長 矢野 章