こんにちは!
5月も半ばを過ぎ、徐々に暑さを感じる日が増えてきました。
爽やかな風が気持ちいい、初夏の陽気にピッタリな果物はさくらんぼ!
GWごろから有楽グループの果物コーナーを華やかに彩っています。
さくらんぼは5月から7月ごろが旬で、初夏の果物の代表格です。
日本では佐藤錦が有名ですが、他にも様々な品種があり、収穫のタイミングによって旬の時期が異なります。
今回はさくらんぼの中でも早生種である『正光錦(せいこうにしき)』をご紹介しましょう。
まず、「さくらんぼ」とは、バラ科サクラ属の木になる実のことです。
桜というとお花見の光景を思い浮かべますよね。
ですが、私たちがよく目にする桜はソメイヨシノという観賞用の品種で、実はなりません。
さくらんぼの果樹にはいくつかの種類があり、
食用として代表的なのは、甘味のある「セイヨウミザクラ(西洋実桜)」と、
酸味の強い「スミミザクラ(酸実実桜)」、そして中国原産の「シナミザクラ」です。
日本で栽培されているのは、ほぼセイヨウミザクラで、
スミミザクラとシナミザクラは日本ではあまり栽培されていないそうです。
名前の由来は桜の実を指す「桜の坊(さくらのぼう)」ですが、
正式名称は「桜桃(おうとう)」で政府の標準成分表には「おうとう」と記載されています。
さくらんぼは有史以前からヨーロッパ各地で自生していて、栽培も紀元前300年頃にはすでに行われていたようです。
日本では平安時代の書物に桜桃についての記述があり、歴史の古さが伺えます。
現在のようなさくらんぼが日本で栽培されるようになったのは明治時代初期のこと。
アメリカやフランスなどの品種が導入され、それらが北海道や山形県などで定着し、
現在では山形県をはじめ青森県や山梨県などで栽培されています。
温室栽培されているものが4月ごろから出回り始め、
早生種から晩生種まで品種が変わりながら7月ごろまで楽しむことができます。
『正光錦』は早生種に当たり、5月頃から出回る品種です。
「佐藤錦」×「高砂」の掛け合わせで誕生した香夏錦(こうかにしき)の、
自然交雑実生を福島県伊達市の佐藤正光氏が発見して育成し、1987年(昭和63年)に品種登録されました。
福島県で生まれた品種ですが、一番多く生産しているのは山形県で全体の9割以上になります。
さくらんぼ=山形県のイメージ強いですよね~。
『正光錦』の果実はやや大きめのハート形で、果皮は黄色い地に鮮やかな赤色が着色。
収穫時には7~8gほどになり、果汁が多めで酸味が少なく、しっかりと甘味が感じられます。
また、乳白色の果肉は適度な硬さがありますが、農園によってはやわらかくなることもあるようです。
さくらんぼ全体の作付け面積が約4,260ヘクタールある中で、
『正光錦』は約23ヘクタールと、かなり生産量の少ない品種です。
加えて、さくらんぼ狩り専用で生産している農園もあったりするので、
市場に出回る量はさらに少なく、かなり希少です!!
糖度も高く、爽やかな甘みを感じることができるおいしい品種ですから、
売り場に並んでいるうちに堪能したいものですね。
軽く冷やしてそのまま食べるのが一番おすすめではありますが、ジャムや果実酒にしてもおいしいですよ。
砂糖とレモン汁を入れて鍋で煮詰めるだけでジャムは作れるのでお手軽です。
ジャムを作る時のポイントは種を一緒に煮ること!
種を除いた状態で煮るととろみが出にくいです。
レモン汁もとろみを出すために必要なので、出来るだけ省かないようにしましょう。
手作りしたジャムとパイシートを使ってチェリーパイにしてもおいしそう♪
残念ながら、今回はジャムを作るほど多くの量は準備できなかったので、そのまま頂こうと思います!
口に入れて噛んだ瞬間に、プチっとはじける感覚と果汁が広がります!
早生のさくらんぼは酸味が強いイメージを持っていましたが、『正光錦』は甘みを強く感じますね。
かといって全く酸味がないわけではなく、程よく爽やかな酸味もあります。
実の赤さと甘みが比例しているので、甘いものがお好みの場合はより赤く色づいているものを選ぶと良いと思いますよ。
さくらんぼの旬が始まったことを知らせる『正光錦』
是非ご賞味ください。
記事担当:青果部看板娘 土井