こんにちは!今月の「有楽青果部看板娘」は、
和梨の礎を築いた「二十世紀梨」をご紹介します♪
果物の中でも梨が大好きなワタクシ
もちろん「二十世紀梨」もたくさん食べてき…て…
………食べた事ないかもしれない。
じっくりと考えてみましたが………
やっぱりどんな味だったか、食感だったか思い出せません。
これは、一からお勉強しないと語れませんね。
では、「二十世紀梨」について一緒に勉強していきましょう!
まず、「二十世紀梨」はどんな特徴があるんでしょう?
調べてみたところ、
「青梨の代表品種で、透きとおるような淡い黄緑色の肌、
ジューシーで、酸味と甘さのバランスのとれた爽やかな味、
シャキシャキした食感が特徴」
とのこと。
普段幸水などの赤梨ばかり手に取るので、
このきれいな黄緑色が珍しく感じてしまいます。
ちょっと青リンゴに見えませんか?
間違えちゃだめですよ~。
代表的な産地は鳥取県で特産品として有名みたいですね。
他には長野県、福島県など日本中で生産されています。
梨全体の出荷量としては幸水・豊水に次いで第3位。
かなりメジャーな品種でした。
食べたことないとか…ごめんなさい。
なお、「サンセーキ」という名前で販売されている梨がありますが、
「二十世紀梨」を無袋栽培したものなので品種は同じです。
「サンセーキ」は太陽にたくさん当たっているので少々無骨な見た目です。
見た目のきれいさは「二十世紀」の方がきれいですが、
甘みは「サンセーキ」の方が強いみたいですよ。
ところで、「二十世紀梨」について調べていると、
ちょっと不思議な検索ワードに出会いました。
『二十世紀梨 ゴミ捨て場』
ちょっと似つかわしくないワードですよね。
気になるので掘り下げてみました。
すると、こんな話が出てきたのです…。
1888年、現在の千葉県松戸市で、
当時13歳だった松戸覚之助(かくのすけ)という少年が、
芽を出した状態の梨の苗を発見します。
その場所はなんと親類宅のゴミ捨て場。
因みに、この親類宅のゴミ捨て場は、
当時梨園を開いたばかりだった松戸家が、生育が悪かったり、
小さすぎたりといった梨の苗を捨てていた場所なんですね。
梨に興味を持っていた覚之助は実を付けることなく自生していたその苗を、
自宅の梨園に持ち帰り、丹精込めて育てていくのです。
試行錯誤の上、10年後、23歳のときにその梨を結実させました。
生った実はきれいな緑色。
この時初めて覚之助は育てていた梨が「新品種」だったことに気付くのです…。
何というドラマティカルな話!!
梨と言えば赤梨ばかりだったそうなので、さぞ驚いたでしょうね。
しかも、食べてみるとこれまでの梨に比べて芯が小さく、果肉が多く、
ジューシーで甘い、文句なく素晴らしい味!
覚之助はその青梨に「新太白」という名前を付けて、
他の梨園から請われると苗木を分けていたそうです。
しばらくの間「新太白」と呼ばれていましたが、
「もっとふさわしい名を」との声を受け、
1904年(明治37年)に「二十世紀」と命名されました。
この名前には「20世紀を代表する品種になってほしい」という意味が込められているそうです。
実際、「二十世紀梨」は20世紀前半において生産量一位を誇り、
その後品種改良で生み出される「幸水」「豊水」などの親であり、
祖父である品種となったのです。
そう!「二十世紀梨」が発見されなければ、
「幸水」「豊水」はこの世に生まれることがなかったんですよ!
覚之助さん、ありがとう!!
まさに、その名に負けることなく20世紀を代表する品種となった、
「二十世紀梨」をいただいてみたいと思います。
「二十世紀梨」は果皮の色で味が変わるということなので、
今回は出来るだけ青いものと出来るだけ黄色いものを選んでみました。
人生初の「二十世紀梨」いただきます!!
果汁が多くて、むいている最中から滴ってましたが、
かなりジューシー!!
ほどほどに酸味があってより一層爽やかな味ですね。
青々とした果皮の通り、若さを感じる風味です。
続いては…
青いものに比べると酸味が落ち着いて若さを感じる風味も薄くなりました。
酸味が気になる方はこのくらい黄色くなってからの方がいいかもしれませんね。
調べたところによると、これでも中間色のようです。
もっと黄色くなるとまるで洋ナシのような味と風味になるのだとか。
通な方はじっとそれまで待つんだそうですよ。
私もそこまで待ってみたかったんですが、
残念ながら時間切れで待てませんでした。
次は是非待ってから食べてみたいと思います。
青みが強く若いころはコンポートやケーキなどにしても美味しいと思いますよ!
色々な楽しみ方ができる「二十世紀梨」。
「幸水」「豊水」を生んでくれたことに感謝して楽しんでくださいね!
ちなみに、「二十世紀梨」の読み方は「ニジッセイキ」が正式だそうです。
記事担当:青果部 看板娘 土井