こんにちは!
ずいぶんと気温が下がり、初冬らしい気候になりました。
今回の看板娘は、寒くなってきた今の時期しか食べられない「次郎柿」をご紹介します。
次郎柿と言えば、富有柿と共に柿の代表格として知られる品種です。
10月下旬頃から12月初旬頃まで収穫され、市場に出回ります。
思ったより収穫時期が短いですよね。
時期が過ぎるとほかの品種に切り替わるため、
品種ごとの収穫時期を把握するのは大切かもしれません。
出回っている時期が旬になるので「いつが一番美味しいか」を考えなくてもいいところは、
長期にわたって出回っている果物とは少し違うところでもあります。
次郎柿は、「完全甘柿」といわれる、種が無くても渋みが抜け、甘味が強い種類に分類されます。
この完全甘柿に分類されているのが、次郎柿と富有柿なので柿の代表格として扱われるのです。
少し固めの柿がお好きな方には、果肉がやわらかい富有柿よりも、次郎柿がおすすめです。
果汁は少なめですが、サクサクとした歯ざわりが感じられる心地の良い固さが魅力です。
上から見ると四角くて中心から放射状に浅い起伏があり、少々無骨な印象の次郎柿ですが、
熟してくると果皮の色味が橙色(だいだいいろ)から、とても鮮やかな橙紅色(とうこうしょく)へと変わっていきます。
この橙紅色が実にきれい!゚.+:。(*≧∇≦*)゚.+:。
甘味もグッと増す頃合いなので、この色を目安にしても良いと思います。
そんな次郎柿ですが、ルーツを調べてみると大変興味深いことが分かりました。
次郎柿は1844年(弘化元年)に静岡県周智郡森町の松本治郎吉さんが、
太田川の河原で上流から流れてきた幼木を発見、自宅の井戸端に植えたことが起源とされています。
この原木は25年後の1869年(明治2年)に火事によって一度焼失してしまいましたが、
再び根元から新たに芽を出し、成長した後は以前よりもさらに甘くおいしい実をつけるようになりました。
この奇跡の復活を遂げた柿の木は、どうなったと思いますか?
なんと!現存しているんです!(゚∀゚屮)屮
昭和19年に静岡県の指定天然記念物になり、大切に保存されています。
明治41年に天皇皇后両陛下に献上されて以来、毎年皇室に献上され続けています。
明治から現在に至るまで、現存していることもですが、
樹齢150年以上にもなる木が、果実をつけ続けているということに本当に驚きました。
生命力ってすごいですよね。
次郎柿が発見された当初は、発見者の名前から「治郎さんの柿」と呼ばれていたようですが、
それが「治郎柿」になり、昭和19年に天然記念物の指定申請をする際、
誤って「次郎柿」と記載してしまったことから「次郎柿」が一般的になったそうです。
まさかの誤字で品種名が固定されてしまった次郎柿ですが、
発祥地の静岡県森町ではブランド化とPRの為、「治郎柿」の名前を現在でも使用して出荷しています。
さて、次郎柿=静岡県というイメージがついてきましたよね。
実際、静岡県の方は柿といえば次郎柿をイメージすることが多いようです。
しかし!!!
現在、次郎柿の最大生産地は…愛知県なんです!!!
主な生産地は愛知県豊橋市。
その栽培面積は日本一の広さを誇ります。
確かに、そう言われると愛知県産の次郎柿よく見かけますよね。
というわけで、次郎柿をいただいてみましょう♡
今回は、アレンジレシピもご紹介しよう!と調べてみて、面白いレシピを見つけたので挑戦してみました。ヽ(*´∀`*)ノ
『柿プリン』
・次郎柿 2個
・牛乳 160ml
・砂糖 大さじ1杯(甘さの調整はお好みで)
材料は以上です。
これをまとめてミキサーにかけて冷蔵庫で冷やすだけ。
超お手軽デザートです♪
牛乳のカルシウムと柿に含まれるペクチンが反応して固まるため、ゼラチンも寒天も不要!
え~?本当にぃ???と疑ってかかっていましたが、本当でした。
ちゃんと固まりました!ヽ(*`゚∀゚´)ノ
一口食べると、柿の甘さがトロっと優しく広がって、とても美味しいです!!!
牛乳でまろやかになっているので、柿が苦手な人でも食べられそうです。d(≧∀≦)b
作るのも簡単だし、ホイップクリームで飾ったりしたらちょっぴりオシャレなスイーツにも見えそう。
牛乳の量を少し増やして、裏ごししてから冷やすともっとトロトロな食感になるかもしれません。
他にも、次郎柿のサクサクとした食感を活かしてフルーツサラダに入れてもおいしいですよ。(*´∀`)b
ただし!
柿には体を冷やす作用があって、食べ過ぎるとおなかを壊してしまうのでほどほどに…(´-ω-`;)ゞ
生食や、干柿だけじゃない!
色んな調理ができる次郎柿。是非ご賞味ください。
記事担当:青果部看板娘 土井