皆さんこんにちは。阿野店情報局です。
夏真っ盛りの今日この頃いかがお過ごしでしょうか?
学校も夏休みに入り海・プールは連日大賑わいを見せていますね。
さて、夏の思い出と言えば花火にバーベキューにキャンプ等いろいろあると思いますが、
私の生涯の夏の思い出は?と言われると数年前に行った「富士登山」です。
その年の6月頃、私の友人で周りからは「鬼」というアダ名を付けられている、
非常に怖い人物がいるのですが、彼が突然、
「今年の夏は何かやった事ないことにチャレンジしたいなー。
よし!日本の頂点を極めるためにも日本一の富士山に登ろう!
俺が全部調べて手配するから頑張ろうぜ!車で行くと少し遠いけど何とかなるだろ。」
・・・。
この鬼とは10年来の付き合いですが、彼とどこか遠くに行くと、
毎回必ず私が車の運転をさせられて自分は助手席で寝るという事を、
幾度となく繰り返されてきているので今回もイヤな予感しかしない。
しかも30歳を過ぎて体力が低下してきているというのに富士登山とは・・・。
そして、数日後・・・。
「今から富士登山に必要な物の買い物に行くからついてこい!」
スポーツ用品店に連れていかれネットで適当に見た必要なものを買い込みます。
リュック・ウインドブレーカー・シューズ・頭に付けるライト・酸素等、
今後も継続的に登山する訳でもないのでなるべく安価なものを選んで購入していきます。
この時はこれが後に大問題に発展することになるとは気が付くはずもありませんでした。
鬼は比較的身長も高く、基本的に普段はスーツやコートなどを着ているような人物なので、
このウインドブレーカーにリュックという姿が激しく似合いませんでした。
そんなこんなで富士登山当日の日がやってきました。
簡単に日程を説明すると昼までに5合目(6合目?)まで車で行き、
夕方まで4~5時間かけて8合目まで登ります。
8合目の山小屋で夜中の2時位まで仮眠して、
そこから日の出の時間までに2~3時間かけて山頂まで登るというものでした。
昼過ぎに8合目の山小屋に向かって出発した時には、
まだ気力・体力も充実していて景色を楽しみながら張り切って登っていたのですが、
だんだん山道も急になってくるにつれて疲れてお互い無言で登るようになってきました。
何とか8合目の山小屋に辿り着き簡単な食事をして20時位には就寝します。
そして夜中の2時に山小屋の人に起こされて真っ暗&極寒の中で山頂を目指します。
真夏の7月下旬だというのに8合目の時点で気温は-5℃位でした。
山頂に向かって出発し始めたのですがここで問題が発生!
ケチって安価な物ばかり買っていた為に、
頭に付ける足元を照らすライトが少し歩いただけで壊れてしまいました。
さらにこの辺りから酸素が薄くなってくるので「高山病」で頭が痛くなってきました。
携帯酸素も安い物を買ってしまったのですぐになくなってしまい絶体絶命。
頭が割れるように痛くリタイヤしようかとも考えていたのですが、
近くを歩いていた女子大生風のお姉さんに、
「頑張って下さいね!」なんて声を掛けられてしまったので、
ここでくじける訳にはいかないと思い何とか気力で山頂まで到達できました。
山頂に到達すると間もなく日の出「ご来光」の時間がやってきました!
景色の美しさと登り切った達成感とで、
高山病で頭が痛かったことなど忘れてしまう位感動することができました!
さすがの鬼も感動していたようでしたがここで現実に引き戻される一言が。
「帰り道ってどれくらいかかるのかな?」
!!!
登り切っただけで満足してしまって疲れて足も棒のようだなんて思っていましたが、
また同じ距離を下って帰らなくてはならないという厳しい現実が、
しばらくの間受け止めきれない自分がいました。
いくらお金を払っても良いから何かロープウェイみたいなもので、
駐車場までビューンと送って欲しいななんて思いながら渋々歩き始めました。
下り坂で足も踏ん張りがきかずジャリ道のような路面の悪い道が延々と続き、
何度も転びながらの下山となりました。
途中で持っていたスポーツドリンクも底を尽きてしまい、
一度座るともう立ちたくない位に足も痛くなってきました。
その時に私はふと思いました。このつらさは全て鬼が悪いと。
こんな鬼なんかと仲良くしてきたばっかりにこんなつらい思いをさせられて、
もう無事下山して愛知県に戻ったら鬼とは距離を置こう。
そうだ。それがいい。
人が転んでいるのに無視してスタスタ先に歩いていきやがって。
そんな延々と続くかと思われた下山道もようやく終わりが見えてきました。
6時位に山頂から降り始めて駐車場付近に着いた時には11時位になっていました。
冷たいジュースを飲みながら全て終わった達成感からか知らず知らずの内に、
「俺たちよく頑張った!やりきったんだ!」
というような感じで鬼と健闘を称えあいました。
下山中に思った全て鬼が悪いと思ったことは水に流してやろうとその時は思いましたが、
車での帰り道に当然のように助手席で眠る姿を見て、
やはり富士の樹海にでも置いてこれば良かったと思ったのは言うまでもありません。
これが数年前の私の生涯イチの「夏の思ひで」です。
それからというもの鬼とは今でも付き合いが続いていますが、
最近では彼も大人になったのか車の運転をしてくれるようになりました。
皆さんは夏の思い出と言えばコレ!というものはあるでしょうか?
記事担当:阿野店 森下