皆さま、こんにちは!
今回の看板娘の記事は大東店の萩原がお届けいたします(^^)/
以前、看板娘ではりんごの「サンふじ」についてご紹介しました。
サンふじは「ふじ」を無袋栽培したものです。
今回は有袋栽培されたふじについて詳しくご紹介します。
サンふじの記事をご覧いただくと分かるのですが、サンふじとふじは全く同じ品種のりんごです。
果実に袋をかぶせて育てる有袋栽培されたものをふじ、袋をかぶせずに太陽の光をいっぱい浴びて育てた無袋栽培のものをサンふじと呼んでいます。
無袋栽培のサンふじが作られ始めたのは1979年頃からです。
それまでは有袋栽培のふじが主流でした。
ふじが誕生していなければ当然サンふじも存在していません。
そこで今回はふじの歴史について調べてみました!
まず、日本で今のようなりんごの栽培がされ始めたのは1871年に開拓次官がアメリカから苗を輸入したのがきっかけです。
それから約100年の間、日本のりんご市場は「国光」や「紅玉」という品種が主流でした。
しかし、それらの品種は日本人の嗜好には合わず、日本の環境条件に適合した品種の育成を目標にふじの開発が始まったそうです。
青森県の藤崎町に誘致した農林省園芸試験場東北支場において、1939年から国光とデリシャスの交配が行われ、ふじの開発がスタートしました。
りんごの新品種の開発は別々の品種の花粉を交配するところから始まります。
交配によってできた種子を植えつけ、生えてきた小さな木(実生:みしょう)を育て、そこからできた果実の品質や貯蔵性、病害虫に対する強さなどを様々な観点から調査します。
その中から優秀な候補を選抜し、更にその選抜されたものを何年も試験栽培して、ようやく品種として名前がつけられ登録されます。
りんごの新品種の開発には気が遠くなるような長い時間と根気のある作業の繰り返しが求められるそうです。
ふじが誕生するまでの間にも様々な危機があったそうです。
戦争の影響により育種が中断、試験場の盛岡への移転計画、更には圃場の整備で同じ交配の組み合わせの実生200個体が伐採されるなど様々なことがありましたが、奇跡的にふじとなる個体はそれらの苦難を回避しました。
1949年には試験場の移転は決まっていたそうですが、この時の移転は無期限延期となったそうです。
もし、この時移転されていたら、ふじは誕生していなかったかもしれないとさえ言われています。
試験場は当初の計画から10年以上遅れた1961年に盛岡へと移転されました。
現在藤崎町にはふじ原木公園があり原木が植えられていますが、なんと今でも実をつけているそうですよ!
1939年から開発が始まったものの、最初の選抜では国光を超える個体は得られず、その後試験栽培が繰り返され、1955年、ようやく品質、貯蔵性が極めて優れている個体が確認されました。
しかし、その時の実は青く色付きが不安定で商品性が危ぶまれましたが、1958年「東北7号」として発表されました。
発表直後から、のちに「ふじの育ての親」とも称される精農家の齊藤昌美氏らによって試作が繰り返され、優れた品質と安定した色付きのふじの栽培方法が確立されました。
開発スタートから20年以上経過した1962年、ようやく「ふじ」と命名され品種登録され、ついに市場デビューを果たしました。
りんご市場では1963年のバナナ輸入自由化やその他の果物の生産拡大の煽りを受け、それまでの主流品種の国光や紅玉が売れなくなり大暴落が起きました。
売れないりんごが大量に廃棄されるという悲しい事件もあったそうです。
この大暴落をきっかけに主流品種がふじへと切り替わっていき、1982年、ついに日本一の生産量を誇る品種となりました。
ふじは高い品質で消費者のハートをがっちり掴み、りんご需要の落ち込みも見事に回復させました。
りんご界の救世主と言っても過言ではありません。
ふじという名前は富士山のように日本一になってほしいという願いと、誕生した藤崎町にちなんで命名されたそうです。
込められた願いの通り日本一のりんごとなりましたが、ふじは海外でも人気を集め、今では日本だけでなく、中国やアメリカを中心に世界各地でも栽培されており、なんと世界一の生産量を誇るりんごへと躍進を遂げました!
日本で生まれたりんごが世界一だなんてすごいですよね!
ふじの誕生について調べてからその事実を知ると、より感激度が増しました。
日本のりんご界を救っただけでなく、世界へ羽ばたいたりんご。
それがふじなんです!!
そんな世界のふじの特徴をお伝えして締めくくろうと思います。
ふじはサンふじと違って蜜は入りにくいので、甘すぎずさっぱりとした味わいです。
食感はサンふじと同様にシャキシャキしていてジューシーです。
貯蔵性が極めて高く、秋に収穫されたものが出回るのは翌年の春頃からです。
サンふじと入れ替わるように4月頃から店頭に並びはじめ8月頃まで販売されます。
ちょうど暑くなってくる時期に販売されるので、暑い日にもさっぱりと爽やかな味わいを楽しめますよ!
また、ふじは袋をかぶせて育てるので、全体的に傷がほとんどなく美しいです。
このキレイな皮はとても薄いので皮ごと召し上がってみてください!
りんごの皮にはポリフェノールをはじめとする栄養素が豊富に含まれていますので、ぜひ皮ごとパクリといってくださいね(^^♪
看板娘写真:ボンバーガール
記事担当:青果部看板娘 萩原