新美さんのコンセプト&ゴールって素晴らしい!という気持ちに大変共感しました。
「役」があることで仕事が明確になったり、働きやすくなったりと、仕事を楽しむ重要な要素になっていますが、一方で「役」にはテーマが必要不可欠で、そのテーマにあたる社訓や企業理念は伝わるものでなければ無意味であるということ。
ハピプロが立ち上がって、一番皆さんに伝えたかった原点に戻ってきましたね。
だからこそ、魂を込めて作り上げたコンセプト&ゴールが伝わらなければそもそも意味が無い。
そこで皆さんにはプレゼンを練習し、習得して頂いていますが、
そもそも今までの人生の中でもそんな機会がなかった方にとっては、
会社での新たな取り組みを自分の言葉で伝えていくことはとても難しいですよね。
今回新美さんから頂いたご質問は、
「プレゼンの苦手なスタッフの為に、カワサキ流プレゼンの極意を教えて下さい!」でした。
私も皆さんに、もっと魅力的にコンセプト&ゴールを伝えられるようになっていただきたいと
心から思っておりますので、この機会を大変嬉しく思います。
プレゼンの極意・・・単刀直入に申し上げますと
『練習』
この一言に尽きます。
練習せずに上達することなどありえません。
現状に満足すれば、そこから先の成長は望めません。
私自身の話を少しさせていただきますと、有楽グループではコンサルタントとして、
皆さんにアイディアや助言を出すことを主軸に仕事をさせて頂いておりますが、
その他の企業では研修や講演という形で、多くの方に気づきを与えられるような話をする仕事を多くしています。
中でも一番長いものだと、一つの企業さんの研修を担当し続けて今年で9年目になりました。
毎年マイナーチェンジを繰り返し、受講生に常に新しい発見があるように努めていますが、
ベースとして伝えたいことは変わっていません。
つまり同じ内容の研修を、これまで数え切れないほどの回数実施をしているのですが、未だに満足していません。
もっと上手に伝えられるのでは?もっといい時間の使い方があるのでは?と毎回毎回が反省と挑戦の連続です。
そんな中で、私が特に気をつけている“話し方”について、
有楽グループのスタッフが実施するプレゼンに置き換えてみると、大切なポイントは5つほど挙げられます。
①表情
②声の大きさ
③アイコンタクト
④問いかけ
⑤ドッグワード
①表情
得てして受講する側、プレゼンを聞く聞き手側というものは緊張状態にあります。
話し手からすると「聞いてるだけなのになんで緊張するんだ!」と思うかもしれませんが、
“ちゃんと聞かなければ!”と考えるだけで、脳は萎縮してしまうものです。
だからこそ、話し手がカッチコチに緊張して表情がこわばってしまうと、
聞き手はより一層緊張し、話が耳に入ってきません。
聞いてもらいやすい環境を作るために、まず話し手の第一印象が柔らかであったほうがいいですね。
笑顔で話を始めることが、最初の環境作りに必要不可欠です。
②声の大きさ
大きな会場で何十人に向かって話すのではなく、このプレゼンの場合聞き手が一人か二人です。
大きすぎる声は威圧的ですし、小さな声は“聞く”という行為に集中しすぎてしまい“理解”にまで及ばなくなります。
程よいボリュームで話し始め、特に伝えたい言葉を少し強調するように声の大きさを上げてみる。
それだけで抑揚もつき、聞き手側も集中力を切らさずに最後まで話を聞いてくれます。
③アイコンタクト
聞き手がちゃんと話を聞いているか、理解できているかを確認する方法は“目を見ること”です。
「分かった?大丈夫?」と声をかけることも大切ですが、話し手が聞き手よりも立場が上であった場合、
その質問にはイエスでしか答えられないこともしばしば。
聞き手の目を見るだけで内容の理解度は意外と計れるものです。
ジーっと見つめ続けるのは逆効果ですが、聞き手にはプレゼンピッチを見せながら、
こちらは聞き手の目を見て理解度を確かめながら進めていきましょう。
④問いかけ
これは前述のアイコンタクトに通じることでもあるのですが、少人数の聞き手であった場合、
相手に合わせたペースで話を進めることが重要です。
頑なに“15分で話さなきゃ!”と気にしすぎて、聞き手をほったらかしにしてしまっては、
一体誰のための話だったの?となりかねません。
とはいえ、アイコンタクトをして“よし、あの目はきっと理解できているから大丈夫だろう”と
過信しすぎるのも考えものです。
アイコンタクトで様子をうかがいながらも、要所要所で聞き手に問いかけをしてみるのが良いですね。
「ウチの店ってどんなイメージ?」
「さっき話したけど、コンセプトってどういう意味だったっけ?」など、
内容の区切りごとで結構ですので、聞き手にイエス/ノーでは答えられないような質問を投げかけてみましょう。
そうすることで具体的に理解度を計ることも出来るのはもちろんのこと、聞き手を退屈させません。
どれだけ話が上手な方でも、10分以上になる長い時間一方的に話されると、聞き手はついていくのが大変です。
問いかけがあることで“また質問されるかもしれないからちゃんと聞かなきゃ!”という
程よい緊張感を聞き手に与え、なおかつ話し手も理解度を確認しながら進められるので、
自分にとっても安心して話せる環境を作ることになります。
⑤ドッグワード
プレゼンの際の比喩表現で言われることですが、話の合間合間に「えー」「あのー」「そのー」「まぁ」といった、
必要のない言葉を繰り返しすぎてしまうことを“ドッグワード”と言います。
校長先生の朝礼での挨拶をイメージすると分かりやすいかもしれません。
「えー」が必要以上に入りすぎると、次第に「えー」しか耳に入ってこなくなり、
折角いい事を言っても、一番大事な内容が伝わらなくなってしまいます。
ドッグワードは癖になっている人が多いので、同僚に聞いてもらった時に
ドッグワードを連発していないか確認してもらい、癖がわかったら言わないように意識を傾けることが必要です。
あくまでプレゼン内容がしっかりできていることが前提で、
“話し方”にスポットをあてたポイントは以上の5つです。
つまり、笑顔で程よい声の大きさをコントロールしながら、
アイコンタクトと問いかけで聞き手の理解やペースを計り、
ドッグワードを連発しないような話し方をするためには、『練習』しかありません。
“私はできている”と自己満足するのではなく、誰かにプレゼンを聞いてもらい、
自分の弱点を受け止める姿勢で練習を積み重ねることが、とどのつまり上達への一番の近道です。
今月の店舗ラウンドの際も、「スタッフにプレゼン練習させてハピプロへの意識を高めたい!」と
意気込みを語ってくれる方が多く、とても嬉しく思います。
この5つのポイントが、そのお役に立てればとても嬉しいです。
新美さんも、有楽グループのコンセプト&ゴールを役職者にプレゼンする前はかなり練習されましたよね。
本部に残って何度も何度も繰り返し特訓したことがとても懐かしく思い出されます。
そんな経験があるからこそ、新美さん自身もプレゼン練習の際に苦労したことや、
自分なりの話すポイントなどを沢山お持ちだと思います。
その積み上げはきっと皆さんにとっての心強いヒントになると思いますので、是非教えてください!
皆さんの活力になるようなお話を、楽しみにしています。