みなさんこんにちは♪今回の住吉情報局は矢野が担当します。
個人ごとではありますが、つい先日年齢をひとつ重ねた私でございます。
近年つくづく実感することなんですが、自分の発する言葉に「あれ」「それ」が多くなる、ネットやテレビで出てくるワードが覚えられない…
着実に脳のスペックが劣化している悲しい現実を突きつけられます。
さて、突然ですがお手元に電卓はありますか?
この電卓で「2」と打ち「×(かける)」を2回押して「=」を押し続けると…
4,8,16、32、64、128、256、512、1024、2048、4096,8192、16384、32768、65536
あれ?パチスロ好きな方は何やら見たことある数字がありますね。
中でもいちばん目に付くのが“8192”。
これは言わずと知れた「ミリオンゴッド」シリーズ『GOD』の当選確率である1/8192。
続いて“16384”は「まどか☆マギカ」シリーズ始め、多くの機種で当たりの大きな契機になる中段チェリーや、強めの当たり当選の確率で目にすることがあるかと思います。
最近の機種で言えば「スマスロ戦国乙女4 戦乱に閃く炯眼の軍師」のロングフリーズである『神謀覚醒』突入確率が1/16384になります。
さらに大きな数字“32768”や“65536”もプレミア当たりやプレミアフラグなどの当選確率で見たことがあるでしょう。
では電卓の数字とこれらパチスロの各種確率にはなにか関係があるのでしょうか?
先ほど電卓ではじき出したのは、「2の累乗」の数字です。
2の2乗(2×2)=4
2の3乗(2×2×2)=8
2の4乗(2×2×2×2)=16
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2の16乗(2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2)=65536
そこで出てきた“2”という数字が、パチンコ・パチスロ含む電子機械全般を動かす大きなカギとなっているのです。
身近なもので言うとスマホやパソコンを始め、電子機の内部で行われている処理は、機械言語といわれる“2進数”が採用されている事はご存じかと思います。
少し2進数についておさらいしておきましょう。
私たちが普段使っている数値は、0~9の10個の数字で構成され“10の累乗番目”の数値で桁が1つ上がる10進数というものです。
それに対して2進数は、0、1の2個の数字で構成され“2の累乗番目”の数値で桁が1つ上がるものです。
2進数は数値として見るというより、1つの桁を「0:OFF」「1:ON」というようなスイッチとして見れば、機械の中でどのような処理がなされているかイメージしやすいでしょう。
1つのスイッチ、すなわち0か1の1桁に1ビット(bit)という単位が付けられていて、デジタル情報の処理能力を測る際や情報の容量を表すのに扱われます。
8つのスイッチ、つまり8ビットでひと括りにされ、そのひと括りを1バイト(byte)と表されます。
8ビット頭脳のコンピュータはCPU内に8個のスイッチが入っており、1番から8番のスイッチの組み合わせは「2の8乗=256」通りになります。
さて、8ビット頭脳のコンピュータの代表といえば初代“ファミコン”。
ここで思い出してください。
RPGの王様「ドラクエ」シリーズ、プレイヤーのステータス最大値は「255」だったはずです。
さらに初代「ゼルダの伝説」の通貨“ルピー”の持てる最大値が「255」でした。
この255という数値は、他のファミコンソフトでもよくみられる数値ですが、ハードのCPU8ビットに大きく関係しており、2の8乗=256通りから【00000000】を引いた255通りが8ビットの枠内の最大値になっています。
ちなみにファミコン以降の主な家庭用ゲーム機の頭脳は、「スーパーファミコン」:16ビット、初代「プレイステーション」:32ビット、「ニンテンドー64」:64ビットといわれております。
これまでの話を踏まえて、もう一度パチンコとパチスロに話を戻しましょう。
パチンコやパチスロの大当たりの抽選は、内部の主(メイン)基板で行われており、当然機械なので2進数が扱われています。
大当たりの抽選は、その機械の出玉性能に大きく関わってくる要素なので、これをつかさどる主基板の能力には、過度な出玉力にならないように制限が設けられています。
この制限の枠が16ビットといわれ、ここで“2の16乗=65536”が登場してくるわけです。
各メーカーのCPUプログラムはブラックボックスなので、明確な仕組みは分かりませんが、すべての抽選の分母は65536通りで固定されているはずです。
分母が固定されているということは、1/2のフラグの場合は32768/65536、1/4なら16384/65536というように、分子にあたる数値を上下させて当たりの確率を決めています。
上述のGOD確率は8/65536=1/8192、つまりGOD揃いのフラグが65536通りの中に8本用意されているということになります。
「沖ドキ」シリーズの32ゲームなど2の累乗の数値が散見されるのは、2進数でキリのいい数値が都合いいのかもしれません。
各種スロットのボーナス確率やパチンコのミドル、ライトなど各スペックの確率も同じような仕組みで抽選が行われていると考えられます。
でも中には何十万分の1の超プレミア演出なんて話もあって、あれはどうなの??なんて声も聞こえてきそうですが…
ここで出てきた主基板はあくまで当たりの抽選のみを行っていて、「○○が出たら確定」とか「色が変わったらアツい」など、各種演出はサブ基板や演出専用の基板で制御されていることがほとんどで、何十万分の1なんて確率はそれらの複数条件で発生しているものでしょう。
昨今のITの発展は今更語るほどでもないですが、とりわけ規制の厳しいパチンコ・パチスロの開発は、狭い箱庭で途方もない試行錯誤の結果、遊技機になりホールに並んでいるわけです。
今度みなさんが大当たりを引いた時、なかでもプレミアフラグを引いた時は、16ビットの“0、1”と2の16乗を意識してみてはどうでしょうか。
記事担当:住吉店 矢野